私の最後の愛
愛
本家を出ると、俺に続いて虎が酔ってきた。
「龍、希ちゃんのお迎え?」
「あぁ、さっさと済ますぞ。保護したら本家に任せる」
紅の開けた車に乗り込み、車は滑らかに発進する。
俺はポケットから写真を出して再び見る。
俺は何故かコイツが凄く気になる。
希の目にはやっぱり希望を失った目が写っていた。
でも、微かに光が見えた気がした。
助けて欲しいという目、微かな希望を信じる光。
俺はこの目に惹かれた。希を本家には渡したくねえ。
俺がコイツの話を聞く。
「...急げ。」
紅にそう言うと車のスピードは上がる。
煙草の紫煙を吸い込み吐き出すとフロントミラー越しに虎と目が合う