私の最後の愛
「チッ、こんな薄着で何してんだ。体もボロボロじゃねぇか。」
ぎゅっと目を閉じている私にフワリと暖かいものがかかった。
恐る恐る目を開けると今まで着ていたコートを私にかけてくれた。
「...なん、で。あ、りがと、うご、ざいま...」
震えて礼を言おうとすると、沢山の足音が聞こえてくる。
私は座ったままあとずさろうとする。
角から見えたのは沢山の黒服。
(やっぱりこの人たちだ。もう逃げる力もない、どうにでもなろう)
私は意識を手放した。