私の最後の愛
私が必死に手を伸ばしていると、私の手を暖かいものが包んだ。
朦朧とした意識の中瞼を開けると、天井と自分の手と私の手 を握っている誰かの手があった。

(っっ、だれっ。)
横を見るとあの男がこちらを見ていた。
「っっ、なんでっ!なんで私は!ここはどこっ!」

「何でって、お前がぶっ倒れたからだろ。それとお前には聞きたいことは山ほどある。」

「私を殺すんじゃないの!?さっさと殺して!私をお母さん達のいる所へ行かせて!そしたら私は愛してもらえるの!」

私は男に握られている手を振りほどき、ベッドから下りてドアを開ける。
ベランダへ行ける窓を開け放つと私は外へ出た。
背後から男の焦るような声が聞こえるけど、そんなの知らない。
殺してくれないなら、自分で死ぬだけよ。
ベランダの柵はおもったより低くて、私でも登れそうだった。
ここはマンションの最上階か。即死できる。
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