私の最後の愛
そんな事を思っていると、後ろから首に手を回され部屋の中に戻されてしまう。
「てめぇ!何死のうとしてんだ!」
そんな事を言う男に笑が漏れた。
「は?今更何言ってんの?あんた達は私を捜し出して殺す。そうでしょ?」
そう言うと男は寂しそうな顔を一瞬した。
何でそんな顔をするの?そう思っていると、
「俺らは佐田組じゃねぇ。桐生組だ、この街を支配してるな。」
私は目を見開いた。
「桐生組の方がなんですか?佐田組に頼まれたんですか?私を殺せって。」
「ちげぇ。頭がお前を保護しろと通達が出てんだよ。」
「保護?私を?」
「あぁ。この街で佐田組が暴れててな。それもお前を探すためだ。だからこれ以上暴れては困るんで原因のお前を保護した。」
更に男は続ける。
「俺は桐生 龍だ。今の代の桐生 龍二の跡継ぎ。だから今は若頭の立場にある。」