私の最後の愛
「あなたじゃねぇ、龍だ。」
「龍の気持ちに応えられるかもわからない。」
「心配ねぇ。」
「それに私は誰かを愛した事もない。愛し方さえ分からない。」
「あぁ。」
「私は愛された事もない。愛され方もわからない。」
「俺が希の一生分愛して、愛され方も教えてやる。」
「私はっ...」
「もういい。それよりも返事は?まぁ、拒否権はねぇけど。」
拒否権ないのになんで返事聞くかな。
「...プッ。アハハハツ」
私が笑うと龍は目を見開いた。でもそれは一瞬で、龍も整った顔をくしゃりと変えて笑った。
「...クックッ」
「拒否権ないんでしょ?じゃあ私は龍に従うしかない。それに、この命は捨てたのも同然よ。龍の好きな様にすればいいわ。」
「それに、愛するのは、あなたとずっと一緒にいると分かる気がするから。遅くてもいいでしょ?」
この人に私の命を預けてもいいと思った。
「俺も希を愛するのは一生かかる。覚悟しろよ?」