私の最後の愛

龍はそのままソファーの方へ行って、1人がけのソファーに座る。私は離れると、長いソファーに座る。

「チッ、こっち来い。」
「それ1人用じゃないの?私座れないわ。」

そう言うと手首を掴まれて龍の膝の上に座らされた。
「座れんじゃねぇか。これからはここな。」
煙草に火をつけながらそう言った。

「あのさ、」
「ん、」
まだ眠そうな声が頭の後ろから聞こえる。
「私のカバンは?あの中に大切なものがあるの。」
「クローゼットにある。後で出しとく。今はこのままいろ。」
その事を聞いて私は安心した。
「ねぇ、虎遅くない?」
「蹴っといた。」
ドヤ顔で言う龍を横目で見ながら立ち上がる。
リビングのドアを開けると、近づいた気配に気づいた。
ぶつかると思って目を閉じると、衝撃は無くてまた暖かさに包まれていた。
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