私の最後の愛

その姿を見ると激しく欲情する。
しばらく答えない俺に希は、

「やっぱこんなの似合わないよね。時間かかるけど、きがえてくるね。」
そう言った希を抱きしめていた。
「待てねぇ。似合ってる。でもこんな姿を他には見せられねぇ。」
俺は適当な紙袋からコートを出すと希に着せた。

行くか。と言うと希は嬉しそうに俺の傍に来た。
誘ってんのかって。
俺はニヤリと笑うと、横に並んで廊下を歩く希の腰に手を回した。
「......つ!なに?」
「希が悪い。」
擽ったそうに身をよじる希の背中を押す。

「行くぞ。」
そう言うと、
「うん。」と帰ってくる返事。
俺はどうしようもなくお前に惚れてるんだ。
「愛してる。」
耳元で言うと希の顔がみるみるうちに赤くなる。
クスリと笑うと玄関を出た。
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