私の最後の愛
この人に黒く染められてもいいと思った。
「ねぇ龍。」
「なんだ。」
名前を呼ぶと低い心地良い声が頭の上から降ってくる。
「私をあなた一色に染めて。過去を思い出せないくらいにね。私は黒が好きよ。」
「当たり前だ。俺しか考えられねぇようにしてやる。その代わり、お前の将来も俺に渡せ。」
「何言ってるの。とっくに私の将来は貴方に渡してるわ?」
「それでいい。」
笑った龍が私の頭に温かい感触を残す。
「...っっ」
龍を見上げるとにやりと笑っていた。
「言ってよ。」
困ってそう言うと、悪いと笑顔で言ってきた。