私の最後の愛
朝から夕方まではバイトして、夜はマン喫に帰る。
そんな生活をしているけれど、困ることはあまりないと思う。
いつかは、どこかへ行かなければ行けないけど居れるだけ居ようと思っている。
そんな居れる時間はあまりにも短かった。
バイトを初めて1週間たったころ、いつものように事務所行くと、事務所には沢山の男の人がいた。
「おつかれさま、希ちゃん。今日でバイト終わりね。」
店長がそう言った。
私は何を言われているのか分からないでいると、
「お前が坂上希か。」
黒服の1人がそう言った。
私は嫌な予感がして、事務所の出口まで走った。
(タスケテッ、アイツラダ)
私の頭の中には最後に家を後にした光景が鮮明に蘇る。
「おいっ、まてっっ、てめぇら逃がすなよ?」
黒服がそう言っているのが私の背中越しに聞こえた。
私の意識はそこで覚醒した。
路地裏はまだ暗くて、夜だというのがわかる。