私の最後の愛
「やめてっ!!いやっ!」
大声を出すけどこのフロアには私達の部屋しかなくって意味がなかった。
「うるせぇガキだな。」
男がそう呟くと口にハンカチを押さえられて私の意識はそこで途切れた。
side 龍
俺がBARで売上報告を聞いていると、虎が入ってきた。
いつもおちゃらけた奴が今は眉間に皺を寄せているからただ事ではないと気付く。
まさか......
「言え」中々言おうとしない虎に凄む。
「家に行った蘭から電話が。希ちゃんがいないと。家に入るとテレビもつけっぱなしでスマホも置いてあった。と。」
希が何かをつけっぱなしにするとかはありえない。俺がしてると怒って消すから。
「はい、ありえないですよね?今組員が総出で探してます。恐らく親父も。」