私の最後の愛
意識が朦朧とする中でも手放さないと深呼吸をした。
まだ抗争は続いていて。
「龍」
私が呟くと、辺りが水を打ったように静かになった。
倉庫のシャッターを潜ったのは闇。
まるで、道があるように真ん中を歩く。
それが私にとってスローモーションみたいに見えた。
「待たせたな、すまない。守りきれなかった。」
その言葉で私の意識は覚醒した。
すると私の目に覆われた龍の手。
安心して私は意識を手放した。
side 龍
気を失った希を抱くと氷希の横に行く。
「全部本家へ投げ込め。親父が相当怒ってるだろ?」
「了解しました。お察しのとおりです。」
氷希が苦笑いしながら答える。