私の最後の愛
「佐田。お前はこれで終わりだ。掟を破ったのと、何より俺の女に手を出した。死を持って償え。」
デブの前へ行き吐き捨てる。
デブに一瞥くれてやるとシャッターを潜った。
車は目の前にあって紅がていねい頭を下げてドアを開ける。
俺が車に乗ると虎も戻ってきて助手席に乗る。
「出せ。」
俺の言葉で車は滑らかに動き出す。
「希ちゃん、中が心配ですね。伊勢は待機させています。」
虎がバックミラー越しにそう言う。
「あぁ。顔、内出血してんぞ。良く耐えたな。」
「えぇ。そこら辺のチンピラよりも耐えますね?」
笑う虎を無視して紅に話す。
「明日は本家に投げた奴の処分をする。希が意識を取り戻せば本家へ預けるが、目を覚まさないなら紅が護衛をしろ。運転は本家のやつを使う。虎は俺と一緒だ。」
「わかりました。そのように手配します」