私の最後の愛

病院に着くと希はすぐに手術室。

俺が希の無事を祈っているといつの間にか桐生組全員が揃っていた。

「希は...どうなの。」
お袋が俺の前に来て聞いた。
「わかんねぇ。表面はいいが中の出血が酷かった。」
「もし、障害が残ってもアンタは支えるんでしょう?」
「当たり前だ。一生を預けた女を支えられねぇでどうすんだ。」
お袋が挑発的な笑を俺に向けたところで手術室のドアが開いた。
「どうだった」
俺が伊勢に詰め寄ると伊勢はホットしたように息をついた。

「無事ですよ。よく生きていましたね?肝臓が破裂して大量出血で死んでも可笑しくないくらいでした。目が覚めてもしばらくは貧血などで頭が痛いと言うでしょう。あまりにも酷かったら連れてきてください。一応薬は出しておきます。」

俺たちに一礼して去った伊勢の言葉に酷く安心した。
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