私の最後の愛

「っ、ありがと。」

「今日は本家へいく。」
希の頭を撫でながら言うと

「そのように手配しています。」
虎のいつもとは違う穏やかな声が聞こえた。

「ねぇ、本家って龍のお父さんとお母さんがいるところ?」
上目遣いで俺を見てくる希に欲が出る。

「...っつ、あぁ。親父とお袋がいる。親父は桐生の組長だ」

「前も病院に来てくれたからわかるよ。それよりもお腹すいちゃった。」

胸に擦り寄る希の頭を撫でた。
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