私の最後の愛

「「「「お疲れ様です!!!!」」」」

そして安定の大きな声で挨拶する。

「...」
「おつかれさまです。」

龍が返事をしない中私はペコペコと頭を下げる。

これが家を出て車に乗るまでの恒例行事。

紅さんが運転する車に乗ると車内はえらく静か。

いつもは煩いほどしゃべる虎も口を噤んでいる。

それがなんか嫌で私は口を開いた。
「ねぇ、虎?なんかあった?体調悪い?」

そう聞くと虎が応えるんじゃなくて龍が口を開いた。
< 77 / 155 >

この作品をシェア

pagetop