私の最後の愛

「ちげぇよ。本家行くから緊張してるだけだ。お前が俺以外を心配すんな。」

俺様な事を言う龍に苦笑いを零す。

他の人から聞いたらとってもくだらないような話をして、本家まで行った。
でもそれが私にとってすごく嬉しい事で。

車が止まって窓の外を見るとすごく大きい日本家屋。

「まさか、ここ?」
ぼーっとしていると手を引かれ外に出る。

玄関らしき大きな門からここまでは 丁寧に敷かれた砂利道。
そこに立っているのは龍のマンションにいる組員さんより一回り、いや二倍増し?なおじ様がきっちりと並んでいる。

「「「「おつかれさまです!!!!!」」」」
挨拶も二倍増し。

龍がそんな声を無視して私の腰を支えてくれる。
戸惑いながらも玄関まで辿り着くと扉が勝手に開く。

入ると立っているのは二人の影。

「お疲れ様です。若、若姐さん。親父たちは蝶の間にいらっしゃいます。」
口を開いたのは蓮史さん。

「よう来たな。これで希ちゃんも桐生組や。」
氷希さんが歓迎してくれるように言うと

「おい氷希。てめぇ俺の女の名前気安く呼んでんじゃねぇぞ。後で相手してやる、覚えとけ」

後からひっっくい声が聞こえる。
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