私の最後の愛

めんどくさい。そう思っていると目の前に黒塗りの車が滑り込む。
止まった途端助手席と運転席のドアが素早く開く。
「おまたせ。龍、今日は早かったね?」

微笑みを浮かべて言う虎に蹴りで沈めておく。

「おまたせいたしました。本家へ向います」
丁寧に礼をする紅は一瞬横で崩れている虎を見たが、すぐ興味を失ったようだ。
俺が車内に乗り込むと、運転席に乗り込む紅。

「出せ。」
紅が発進しようとした時、虎が助手席にあわてて乗った。

「あんなんで、どんだけ寝てたんだ。チッ」
助手席のシートを蹴りあげておく。

「朝から、龍の蹴りはキツいんだよ。」
ヘラヘラ笑いながら言う虎に、俺も紅も興味はない。
再び煙草に火を付けて紫煙を一息吸い込み気持ちを落ち着ける。
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