私の最後の愛
蓮史さんに案内されて玄関まで行くと杏さんが待っていて私を見ると微笑んでくれた。
「まぁ。素敵ね? 龍の妃ちゃん。」
おどけたように言う杏さんと外に出ると真ん前に龍と龍輝さん。
龍は私を見ると一瞬止まってそして私を腕に収めた。
こんなの前も会ったよね。
そのまま用意されていた車に乗り込む。
紅さんの車じゃなくて今日は本家の組員さんっぽい。
「どこへ行くんですか?」
私が聞くと私の後ろにいる龍が言いにくそうに答えた。
「...繁華街だ。」
その言葉に私は動揺した。
すると私の頬に細い手が滑る。
「希ちゃん、克服しなさい。それに妃になった以上龍の巡回について行く事があるのよ。それに繁華街の女は怖いわよ?」