私の最後の愛
龍と笑い合うと一緒に歩く。
「グエッ」
乙女らしかぬ声を出すと私を引っ張っていたのはやっぱり杏さん。
「おいババア。その手離せ。」
龍が凄むのに杏さんは動じない。
「親子の親睦でも深めてなさいよ。私は希ちゃんと女子会するの。
ねぇ、希。欲しい物ない?ほら、着物とか。下着とか?」
世話を焼くお母さんみたいな杏さんについて行くと周りの視線に気付く。
「あれ、杏さんじゃない?」
「なんで?」
「横の女だれ?」
「は?もしかして龍さんの女?」
「なんか噂になってたよね。」
「でもすぐに捨てられるよ、あははっ」
そんな言葉が頭の上を飛ぶ。