君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜
「いやだ」
「え?」
きゆは流人から離れて勝気な目をして、そう答えた。
「流ちゃんのその俺様気質はちょっと直してもらわないと。
私の意見も聞いてもらうからね。
流ちゃんが間違ってる時は、間違ってるって言わせてもらうから。
分かった?」
流人はもう一度きゆを抱き寄せ、今度は激しくキスをした。
「…きゆ、もう、俺、お腹すいてない。
きゆが欲しい…
きゆを食べてもいい?
ちゃんと、残さないでたいらげるからさ…
きゆ、お願い…」
きゆは口元に流人のくちびるを感じながら、クスッと笑った。
すると、きゆの頬にできたえくぼにすかさず流人はキスをする。
「停電でクーラーも効いてないし、きっと暑くなるよ…」
「いいじゃん、たくさん汗かいたら、一緒にシャワーを浴びればいい」
きゆはもう何も抵抗しなかった。
いや、きっと、私も求めている…
今度、二人が一つになる時は、永遠の固い絆を結ぶ時だって、そう思っていた。
こんな嵐の夜に、こうやって結ばれるとは夢にも思わなかったけど…