君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜



「いやだ」



「え?」


きゆは流人から離れて勝気な目をして、そう答えた。


「流ちゃんのその俺様気質はちょっと直してもらわないと。
私の意見も聞いてもらうからね。
流ちゃんが間違ってる時は、間違ってるって言わせてもらうから。

分かった?」


流人はもう一度きゆを抱き寄せ、今度は激しくキスをした。


「…きゆ、もう、俺、お腹すいてない。

きゆが欲しい…

きゆを食べてもいい?

ちゃんと、残さないでたいらげるからさ…

きゆ、お願い…」


きゆは口元に流人のくちびるを感じながら、クスッと笑った。
すると、きゆの頬にできたえくぼにすかさず流人はキスをする。


「停電でクーラーも効いてないし、きっと暑くなるよ…」



「いいじゃん、たくさん汗かいたら、一緒にシャワーを浴びればいい」


きゆはもう何も抵抗しなかった。
いや、きっと、私も求めている…

今度、二人が一つになる時は、永遠の固い絆を結ぶ時だって、そう思っていた。


こんな嵐の夜に、こうやって結ばれるとは夢にも思わなかったけど…






< 105 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop