君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜
流人は目を凝らしてもう一度その瓶の中を覗きこむと、そこには丸い砂粒の中に混ざって、星形の白い砂粒が何個か入っていた。
「本当だ、星型の砂を見つけた」
流人は初めて目にする星の砂に目を奪われている。
「でも、これは、きゆの宝物なんじゃないの?
これだけの星の砂を見つけるのに、どれだけの時間を費やしたんだ?」
「こういう田舎に住んでればたくさんの時間がある。
特に子供の頃なんて、休みになっても映画館があるわけでもないし遊園地があるわけでもなくて、でも、こうやって美しい自然が周りにたくさんあった。
こんな事をして楽しんでたの…
だから、どれくらいの時間をって言われても分からない。
好きでやってた事だから」
流人はまだその小瓶を見ていた。幼いきゆの姿を思い浮かべながら…
「でも、こんな貴重な物を俺がもらっていいの?」
「流ちゃんだからあげたいの…
この島を愛してくれて、それだけで私は本当に嬉しいんだから」
流人は小さく頷き、そのチェーンを外し自分の首に回してつけた。
「一生、大事にするよ。
きゆを一生大事にするのと同じように…
永遠に……」