君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜



きゆがこの島で一番大好きで大切な場所…
流人はちゃんと覚えていてくれた…

この島に一本しかない満開の桜の木の下で、私達は唯一無二の結婚式を挙げる。
指輪がまだ準備できていなかったため指輪の交換はできなかったけれど、流人はこの島の人達を証人にして、誓いの言葉を述べ始めた。


「わたくし、池山流人は、この島の人達に誓って約束します。

何があっても浮気はしません」


いきなりのこの言葉に場内に笑いがこぼれる。


「どんなに忙しくても、どんなに億劫でも、どんなに天気が悪く海がしけようとも、この島に一年に一回は帰ってきます。


そして……

この島で生まれ育ったきゆのことを、大切にし、永遠に愛します。

きゆを愛するように、この島も、この島の人達も、大切に思っていきます。

こんないたらない僕達を受け入れてくれて、本当にありがとうございました」



この桜の下に集まっている人々は、皆、本当に流人を愛していた。

海沿いに住んでいる本田のおじいちゃんはマルを連れて離れた所から見ている。
光浦のおばあちゃんは、一番いい場所を陣取って流人の目の前に立っている。

そして、瑛太は、ちゃんとスーツを着こなしてきゆの両親の隣で微笑んでいる。


明日にはこの島から出て行く二人だけれど、流人の残した軌跡は決して消えない。

東京から島の女の子を追いかけてやって来た若いチャラいお医者さんは、いつの間にか島の人気者になり、誰よりも島を愛する人間になった。

小さな島に起こった小さな奇跡は、この桜の木のようにいつまでも皆に愛される。




そして、二人は誓いのキスをした。
真っ青な空とひらひら輝く桜の花びら、そして、島のみんなの黄色い歓声に包まれながら……







< 156 / 156 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:268

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

美魔男の完璧な仕事に心が溺れる

総文字数/109,511

恋愛(ラブコメ)254ページ

表紙を見る
恋する天の川

総文字数/4,265

恋愛(ラブコメ)8ページ

表紙を見る
れんれんと恋するための30日

総文字数/85,821

恋愛(学園)191ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop