君の中で世界は廻る〜俺様ドクターの唯一の憂い〜
「流ちゃん……
きっと、私も、流ちゃんに抱かれたい……
でも、そういう単純な感情にまかせて、自分自身を見失いたくないの…
自分の勝手な衝動で流ちゃんの未来を壊したくない…」
流人は大きくため息をついてきゆを力強く抱きしめた。
「きゆ…
単純ってそんなにダメなことなのか?
俺はきゆが好きで、きゆは俺が好き。
俺はきゆを抱きたくて、きゆは俺に抱かれたい。
それが二人の根源で最高の答えだと思うんだけど…」
きゆはそう言う流人の口をキスでふさいだ。
「一つになる方法は他にもたくさんあるよ…」
きゆはそう言いながら、流人に柔らかで滑らかなキスをした。
流人の心の叫びが治まるように、丁寧に愛情深くキスを重ねる。
流人はきゆを正面にして自分の膝の上に乗せた。
「こんなんじゃ、ご褒美にならないからな…
じゃ、百回俺にキスをしてよ、そしたら許してやる…」
きゆはすねた顔でそう言う流人の鼻の頭に軽くキスをした。
「今のはカウントなし」
流人はきゆを更に抱き寄せキスがしやすい体勢を作ってあげた。
きゆは男の体の仕組みを看護師のくせに全然分かっていない…
キスだけで一晩過ごせだなんて、俺にとっては修行を超えたただの拷問だ…