color full
「…茉緒の話って、もしかして……




別れ「…私ね」




突然ベンチから降りて言葉を遮る。




俯いていて表情が見えない。




「私……、ハル君に謝らなくちゃいけないことがあるんだ……。」




言葉を飲んだ。




このあと何を言われるかなんて、だいたい想像がつく。




「……ハル君…っ、永瀬悠人君………。




私………キミの他に、好きな人がいます…。」




ガツンと頭を殴られたような感覚だった。




それと同時に、目の前が真っ暗に染まる。




こんな状況でも、空はどこまでも青く、澄んでいる。




冬の空は、どこか寂しそうで、虚しさが立ち込めていて、いつも、地上の人々を惑わせる。




2人の間を吹き抜ける風に乗せて、もっと残酷なことを言った。




「だから………私と…、別れてください。」




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