HEAVEN ROAD

翔に捕まれていた腕を今度は豊に捕まれ、あたしは車へと連行された。



「助けてもらったのに悪いんだけど……腕痛いんだよね」



あたしの言葉に豊は驚いた顔をして手を離した。



「悪い」



「大丈夫」




豊が柄にもなく申し訳なさそうな顔するから、大丈夫って思わず言ってしまった。



本当は結構痛かったりする。



車に乗るとすぐに豊は真剣な顔になる。



「翔には気をつけろ」



「どういう意味?」



「言ったままだ」



「あんた達仲いいんじゃないの?」



あたしの言葉の後、一瞬の間が空く。



「仲が悪いわけではない」



「どういうこと?」



今の間なんだよ。



明らかに怪しいし……



「翔は俺を恨んでる」



「恨む?」



「あぁ」
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