HEAVEN ROAD
「ごめん!!鼻血が出てたから……制服汚れちゃうでしょ?」
穴があったら入りたいとはこのことだ。
顔の前で手を合わせている翔が憎らしい。
だって、あまりにも息苦しいし、こんな経験はじめてだから、打ち所が悪かったんじゃないかって、内心ハラハラしてたのに……
鼻の穴に詰まっていたティッシュが原因だったなんて……
「何グチグチ言ってんだよ」
鬼のこの言葉に何かがブチっと切れた。
「あんたに迷惑かけたかもしんないけど、訳もわからず睨まれて、そんなふうに凄まれる筋合いないけど!!あたしだって女なんだけど?!鼻の穴にティッシュ入ったまま知らずにいたなんて、恥ずかしいに決まってるだろ?!そんなこともわからねぇのか!!お前が、少し黙ってろ!!」
鼻の穴のティッシュがとれたからって、一気に怒鳴ったから呼吸が乱れる。
「カナちゃん……」
翔があたしを見つめてる。
それより鬼がますます鬼になっている。
「かっこいぃーーー!!」
「誰に口利いてんだ?!」
翔と鬼の言葉が重なって、頭の中が一瞬パニック状態。