HEAVEN ROAD

「翔、外寒そうだな」



「なら、早く話終わらせねぇとな」



翔はやっとあたしの顔を見てくれた。



「聞かせて。あたし仮にも彼女なんでしょ?」



「静香は中学の時、俺と付き合ってた。その頃の静香はカナみたいに金髪で悪いことなんかも平気でするやつだった……」



懐かしむようにゆっくりと話をする翔。



「豊は違う中学だったから、俺はダチだったけど静香は豊のことを知らなかった。卒業式が近くなった頃、チームを豊に引き継がせるって噂が流れた。それを聞いた静香は俺に別れを告げた。その時はただ振られただけだと思ってた」



「それって……」



あたしは静香に感じた違和感を思い出していた。



「そう。静香は豊に近づくために俺と別れたんだ」



翔は悔しそうに膝の上で握り拳を作る。
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