HEAVEN ROAD
「なんだよそれ!!豊は……」
あたしが話してる途中で翔が言葉をかぶせてくる。
「豊は何も知らなかった」
「全然意味わかんねぇ」
あたしは投げやりに車のシートに体をもたれ掛ける。
「豊は中学の時、付き合ってる奴がいた。黒髪が綺麗な子で真面目な子だった。豊が好きになってやっと付き合えたんだ。でも、その子は他に好きな人ができたって言って豊を振った」
「好きな人?」
「あぁ。俺らみたいじゃなくて、学校でも優等生の男。受験勉強を教えてもらってるうちに好きになったんだと」
「へぇ~」
中学の時から好きだの惚れただの。
あたしには想像もできない世界だ。
「で、静香の話に戻るけど……静香は豊の事を調べて豊好みの女になったって訳」
「だから黒髪」
「そう」