HEAVEN ROAD

「ここの道を左でいいの?」



「はい、そうです」



「何だか、大人しくなった?」



「あれだけ暴れれば大人しくもなるだろ」



今、あたしは車に乗り、家までの道をガラス越しに眺めている。



広い後部座席に翔と二人。



運転しているのはイカツイお兄様で、助手席に乗っているのは顔にできた引っかき傷を摩っている鬼男。



「痛いのか?」



「あぁ」



翔は身を乗り出し、平気で鬼と会話する。



「っく……ギャハハ!!やっぱダメだ堪えられねぇ」



「うるせぇよ!!」と言った鬼は私を睨む。



「すいまっせん!!」



「その言い方馬鹿にしてんのか?!」

< 15 / 877 >

この作品をシェア

pagetop