HEAVEN ROAD
「ここの道を左でいいの?」
「はい、そうです」
「何だか、大人しくなった?」
「あれだけ暴れれば大人しくもなるだろ」
今、あたしは車に乗り、家までの道をガラス越しに眺めている。
広い後部座席に翔と二人。
運転しているのはイカツイお兄様で、助手席に乗っているのは顔にできた引っかき傷を摩っている鬼男。
「痛いのか?」
「あぁ」
翔は身を乗り出し、平気で鬼と会話する。
「っく……ギャハハ!!やっぱダメだ堪えられねぇ」
「うるせぇよ!!」と言った鬼は私を睨む。
「すいまっせん!!」
「その言い方馬鹿にしてんのか?!」