HEAVEN ROAD
「豊……」
「耳元でギャァギャァうるせぇよ」
「豊?!生きてるし……」
豊が無事なことがわかったあたしはホッとしてその場にヘニャっと座り込む。
「豊、大丈夫か?」
いつの間にか隣にはチータがいた。
「あぁ」
豊は顔を歪めながら、体を起こす。
「体痛いのか?」
「そりゃーな」
座り込んでいるあたしの肩を支えにして立ち上がる豊。
「骨はいってねぇから大丈夫だ」
あたしの頭に軽く触れた豊はチータに支えられながら、車の方に向かってゆっくりと歩く。
ペッと途中で吐き出した唾は真っ赤に染められていて、それを見ながら今更恐怖が全身を襲う。