HEAVEN ROAD
「別に死んだって構わねぇよ。あんな雑魚共にやられるくらいなら死んだほうがマシだ」



「豊、あの人数じゃいくらお前でも無理だって」



あたしはチータを押しよけて、豊の頬を平手打ちした。



「簡単に死ぬなんて言うな!!」



「カナちゃん?」



「何してやがる?」



チータはあたしの顔を驚いたように見つめ、豊は睨んでる。



「チータがどんな想いで助けを呼びに来たと思ってる?!どれだけ全力疾走したと思ってる?!女に浮気されたくらいで頭に血が上って周りに迷惑かけるような奴が簡単にそんなこと口にするな!!」



あたしはこんな声も出るんだと自分でも驚くくらいに大きな声で怒鳴っていた。



「てめぇ、誰にもの言ってる?!」



「……あ、あたしがどれだけ心配したか……あたしがどれだけ怖かったか……お前にわかるのか?!」



こんなことみんなはいつものことなのかもしれない。



でも、あたしにとっては初めてで……



何もできない自分が腹立たしくて、悔しくて……



怖かった。

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