HEAVEN ROAD

泣くもんかと歯を食いしばっていたけど、目にたまった涙が零れ落ちそうだ。



「よしっ!!終わった!!」



あたしが怒鳴り続けている間も、手当てを続けていた女。



「カナだっけ?こっちにおいで」



あたしは手を引かれ、奥にある部屋へと連れて行かれた。



暗い部屋に女と二人……



「怖かったね。誰も気付かなくて悪かった。豊が馬鹿で悪いね」



そう言ってニコっと笑うと女は私の体を抱きしめる。



「えっ?!」



「もう泣いてもいい。誰も見てないから」



あたしは女のその言葉に我慢していたものを吐き出すように涙を流した。



柔らかくていい匂いのする女の胸の中で声を殺して泣いた。

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