HEAVEN ROAD
ただ、謝っただけだし。
「カナちゃん、気にしないで。コイツ女の子に傷作られたのなんか初めてだから、落ち込んでるわけよ」
あたしの肩をポンっと叩いてくれる翔。
「落ち込んでねぇ。腹が立ってるだけだ。俺の綺麗な顔に傷つくりやがって」
「そんなつもりではなく……いきなり手が伸びてきたから、つい。そう、ついついね」
「ついで、あれだけ暴れんのか?!どういう神経してやがる」
「お前には言われたくないと思うぞ」
翔は何がおかしいのか、ずっとクスクス笑ってる。
「あっ!ここでいい」
あたしの一言に車はブレーキをかけた。
このお兄様、気配消してるくせに話は聞いてんだ。