HEAVEN ROAD

豊は一瞬言葉を詰まらせ、すぐに口を開いた。



「お前に話があって」



「そう。学校行くまでに話すってことね?」



「いや、違う。実家に行くぞ」



「はぁ?!?!」



この男は何を言い出してるんだ。



昨日のせいで頭やられたか?



「出せ」という豊の言葉で車は発進する。



きっと……



豊の実家に向かってる。



「何のためにあんたの実家にあたしまで行かなくちゃいけない訳?」



納得のいかないあたしは痛々しい豊の顔を見ないように話しかけた。



左瞼はボッコリと腫れあがり、唇には血の塊が……



そして、顔中痣ができすぎていて、人間の顔とは思えない。
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