HEAVEN ROAD
「お父さん、お客様よ」



お母さんの言葉に咄嗟に足を下ろし振り返ったその顔は、豊にそっくり……



違うか。



豊がお父さんにそっくりなんだ。



「いらっしゃい」



「初めまして。カナです」



「豊の父です」



ペコリと頭を下げてくれる、優しそうなお父さん。



「お茶でも入れるから座って」



「部屋に持ってきてくれ。こいつに話があるから」



「あらぁ~でも、お母さん、カナさんともっと話したいわ」



お母さんの言葉を無視したまま豊は出て行ってしまう。



あたしはどうすりゃいいんだよ!!



「カナさんごめんなさいね」



「いいえ。あたしも豊の所にいってきます」



「お茶運ぶわね」

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