HEAVEN ROAD
あたしがキョロキョロとしているうちに豊はどっしりと床に腰を下ろした。
床に座るのね。
「話って?」
あたしが口を開いた途端、トントンと部屋のドアがノックされる。
「お茶持ってきたわよ」
「あっ、はい」
あたしは慌ててドアを開けると、お盆を片手に持ち、もう片方の手には……
脇の下に何かを挟んで持っていた。
「熱いから気をつけてね。それとこれ」
そう言ってあたしの前に差し出されたのは座布団。
「女の子は足腰冷やしちゃいけないから」
「ありがとうございます」
嬉しかった。
あたしの事をこんな風に気にかけてもらえて。
なんだか涙が出そうだった。