HEAVEN ROAD
あたしはお母さんが持ってきてくれた座布団を敷き、豊に視線を移す。



「で?」



「悪かった」



「はっ?」



「この間、怖い思いさせて。それと心配してもらったのに礼も言わずに……」



「何だそんなこと?豊が謝るなんて何事かと思った。もう気にしてないし」



「そうか」



照れているのか、豊は頭をポリポリと掻く。



「彼女とはどうなったの?」



「別れる」



「そう」



こんなこと聞くべきじゃなかったかな……



豊が何も喋らないから、沈黙が続く。



「そういえば、今日平日なのに普通に家にいて大丈夫なの?お母さん達変に思ってない?」



「大丈夫じゃねぇか。2人とも卒業すればいいくらいにしか思ってないだろうし」



「そうなんだ……ならいいけど」

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