HEAVEN ROAD
「あーそのことなら俺が話す」
あたし達の睨みあいに割って入って来た翔は優しい声で諭すように話す。
「コイツはカナちゃんを心配してるわけ。そんな髪してたら、明日も学校で怖ーいお姉さま方にいじめられちゃうよ」
「うん……だろうね。でも、髪は変えられない」
「なんで?」
「理由言わなきゃダメ?」
「うーん。そうだな~カナちゃん、ここが地元じゃない?」
腕を組み、頭をグラングラン揺らしながら翔が何かを考えてる。
「先月、ここに引っ越してきた」
「やっぱり。だよね~どうする?」
私に向けられていた翔の視線は、助手席に座る鬼のほうへと向けられた。
「ほっとけ」
「でも、俺、気になるし……」
「俺らが、どうこう出来ることじゃねぇだろ」
髪の毛の色一つで、何でそんなに揉めるんだか、私にはさっぱりわからん。