HEAVEN ROAD
「おいおい。2人とも落ち着け」



あたし達の睨み合いの間に割って入ったのはおっさんだった。



「カナ、まずは座れ」



あたしはおっさんに腕を引っ張られ再びソファーに腰を下ろした。



怒鳴ったせいで心臓がバクバクいってる。



「カナは煙草が嫌いなのか?」



有田が優しくあたしに問い掛ける。



あたしはコクンと首を縦にふる。



なんか声を出してしまったら涙がこぼれてしまいそうだったから。



「なんで嫌いなんだ?言いたくないなら言わなくていい」



あたしの心の中を全部わかっているような有田の言葉にますます目頭がゆるくなる。
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