HEAVEN ROAD
「大輔さん、ありがとうございます」
あたしはお礼を言って外に出る。
「おいっ!!どこ行くんだよ?!」
「だから産婦人科だって!!」
翔はまだ言ってるのか。
病院の自動ドアの前に立ってみたが扉が開かない。
「えっ?!」
「まだ病院は開いてねぇだろ」
後ろから豊の馬鹿にしたような声が聞こえる。
時計を見るとまだ9時前……
そうだよな。
普通は10時からとかだよな。
何も考えずに病院に来てしまった自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
「カナちんは本当にお馬鹿だね」
お前にだけは言われたくねぇし!!
あたしが翔を睨みつけようと振り返った時、一人の女が視界に入った。