HEAVEN ROAD
コンコン
「おい。起きろ。遅刻するぞ」
コンコン
「いい加減にしろ」
ドアの向こうであの男が怒っている。
そうはわかっていても、寒くて起きることができないでいた。
「起きたって」
さすがにこれ以上寝ていたら遅刻してしまう。
遅刻すれば、また男の小言を聞かなければいけない。
それだけはごめんだ。
あたしはタンスからジャージを引っ張り出し部屋を出た。
「朝食だ。明日からはもっと早く起きろ」
「わかってる」
テーブルの上にはパンと目玉焼き。
「それと、共同の場所に出てくるときはきちんと服を着て出て来い」
「服着てるじゃねぇか」
「さっき着ながら出てきていた」
「はいはい」
本当に煩い男。