HEAVEN ROAD

何度も何度も途中で言葉を詰まらせながら、静香は翔に向かって話し続ける。



翔は下を向いたまま静香と目も合わせようとしない。



何を考えているんだろう……



豊は相変わらずの体勢で動くそぶりも見せないで、しかめっ面をしている。



「……ってことなんだ」



すべてを話し終えた静香は目に沢山の涙が……



ガタッ



突然立ち上がった翔。



その反動でパイプ椅子が倒れる。



「馬鹿か……ホントに馬鹿だ」



そう言って静香を抱きしめた。



あたしは何故か手に力が入り、目頭が熱くなる。



「俺が治してやるよ。お前の病気くらい」



「もう馬鹿なこと考えるな!!俺がどれだけ……」



翔の声が振るえている。



「うん」と返事をする静香の声も……
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