HEAVEN ROAD
「いつまで抱き合ってんだ?俺たちがいること忘れてんのか?」



感動の再開を……空気を読めない豊の言葉がぶち壊した。



翔は静香から離れ、涙を拭う。



「すっかり忘れてた。影の薄い奴らだからな」



翔の憎まれ口も今日は許してやろう。



「そうだ、豊にも迷惑かけたな。悪い。あの時翔と抱き合ってたのは私だ。京香はお前のこと……だから寄りを戻してやってくれ」



静香は豊に向かって頭を下げ、京香の気持ちを豊に告げた。



これで一件落着だな。



それなのに



「俺はやり直すつもりはない」



はっ?!



何を言い出す。



「俺は昔の女を静香……いやっ、京香に重ねていただけだ。だから、好きじゃなかったってことに気付いた」
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