HEAVEN ROAD
すっかり忘れてた。
今日、迎えに来るって言ってたよな。
あたしは慌てて車へと駆け寄る。
「カナちゃん、おはよう」
こんなふうに朝の挨拶をされたのはいつぶりだろう。
本当は断ろうと思ってたのに、人と深く関わりたくないから、迎えなんて断ってやろうと思ってたのに……
胸の辺りが温かくなって、照れるように小さな声で「おはよ」なんて言ってしまった。
「さぁ、乗って!!」
「いや、それが……」
後部座席のドアが自動に開いたのかと思いきや、
「さっさと乗れ」
鬼男が開けてくれたらしいドアから不機嫌な声が聞こえる。
何で今日は鬼が後ろにいるんだよ。
「寒いんだから、さっさと乗れよ」
車内から伸びてきた鬼の手はあたしの腕を捕らえ、中へと引きずり込む。
「は、離せよ!!」
いつの間にか車を降りてあたしの後ろに立っていた翔に背中をおされ、かろうじて踏ん張っていた足の支えはなくなり、体は車内へとダイブした。
その途端にドアは閉められ、車は発進する。
車に乗らないという選択肢は諦め、できるだけ端っこのほうに移動した。
だって……
鬼の鞄が私の方へはみ出しているから。
今日、迎えに来るって言ってたよな。
あたしは慌てて車へと駆け寄る。
「カナちゃん、おはよう」
こんなふうに朝の挨拶をされたのはいつぶりだろう。
本当は断ろうと思ってたのに、人と深く関わりたくないから、迎えなんて断ってやろうと思ってたのに……
胸の辺りが温かくなって、照れるように小さな声で「おはよ」なんて言ってしまった。
「さぁ、乗って!!」
「いや、それが……」
後部座席のドアが自動に開いたのかと思いきや、
「さっさと乗れ」
鬼男が開けてくれたらしいドアから不機嫌な声が聞こえる。
何で今日は鬼が後ろにいるんだよ。
「寒いんだから、さっさと乗れよ」
車内から伸びてきた鬼の手はあたしの腕を捕らえ、中へと引きずり込む。
「は、離せよ!!」
いつの間にか車を降りてあたしの後ろに立っていた翔に背中をおされ、かろうじて踏ん張っていた足の支えはなくなり、体は車内へとダイブした。
その途端にドアは閉められ、車は発進する。
車に乗らないという選択肢は諦め、できるだけ端っこのほうに移動した。
だって……
鬼の鞄が私の方へはみ出しているから。