HEAVEN ROAD

「行くぞ」



「えっ?」



豊は私の手を引いて来た道を戻る。



そして校門の前で舌打ちをした。



「何?」



「車いねぇ」



そりゃあそうだろうね。



こんなに早く帰るなんて誰しも予想が出来ないし。



「歩くか」



「どこに?」



「俺んち」



「なんであたしまで?」



「どうせ暇だろ?」



暇ですよ。



でも、強引すぎるだろ。



そう言って怒鳴ってやりたかったのに、ギュッて握られた左手のせいで何も言えない。
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