HEAVEN ROAD
「じゃあ、あそこに1人で住んでるのか?」



「違うよ。兄貴と……血は繋がってないんだけど。てか、今は兄貴でもないか」



「どういうことだ?」



人に聞かれたことがないから、あまり自分のことなんて話したことがない。



こんなふうに家族のことなんて一度も……



だから、少しだけ戸惑いながらあたしは説明をした。



「ママが結婚した人に子供がいて、あたしには突然兄貴ができた。でも、離婚したから今は兄貴じゃないかな。今はあたしの保護者」



「ふぅーん」



テーブルに足を上げ、聞いているのかわからない相づちをうつ豊。



「飯食ってんのか?」



「食べてるよ」



「洗濯は?」



「してる」



「自分でか?」



「うん」



何を聞きたいのかまったくわからない。
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