HEAVEN ROAD
「ほらな。無理してるだろうが」



「してねぇよ」



「素直になれよ」



「あたしは生まれつき素直じゃねぇんだよ」



「あーー面倒くせぇ」



その言葉の後だったか……前だったか……



豊の手があたしの腕を掴み、あたしの体は豊の座っているソファーへと連れていかれた。



そして、温かいぬくもりと鼓動があたしの頬に伝わる。



「淋しいなら淋しいって言え」



頭の上から豊の声が聞こえてくる。



あたしは今、どんな態勢でどこにいるんだろう?



「カナ、聞いてるか?淋しくねぇのか?」



トクットクッ……



この音が懐かしくて涙が出そうだ。
< 245 / 877 >

この作品をシェア

pagetop