HEAVEN ROAD

「準備はいいか?」



「あぁ」



豊の言葉に秀が返事をすると、一斉に外へと出ていった。



えっ?



あたしは着いていくべきか?



ここにいるべきか?



おどおどとしていると、豊に思い切り手を引っ張られた。



「さっさと来い」



「あ、うん」



外へ出てもあたしの手は豊に握られたまま。



公園の中には遠目で見ても、わかるくらいに黒い集団が……



翔を先頭に連なって歩くあたし達のために、大勢の人が立ち上がり道を作ってくれる。



一体何人の人が集まっているんだろう?



その殆んどが黒い特攻服を着ているのに、あたしはこんな格好でいいのだろうか?



沢山聞きたいことはあるけど、今は話し掛けていいような雰囲気ではない。
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