HEAVEN ROAD
ここにいる人たちはみんな目付きが悪いのか?



あたし、睨まれてる気がするけど……



「お前はここにいろ。動くなよ」



「あぁ」



豊達は大勢の輪の中に入り、何やら難しい顔をして話し込んでいる。



暇なんですけどぉ~



あたしは辺りを見回したり、足をブラブラさせたり、豊達が早く戻って来てくれるのを大人しく待っていた。



「ねぇ」



その時、背後から声がした。



振り向くと長い黒髪にケバい化粧をした女が2人。



ここにはあたししかいないし、あたしに話し掛けたんだよな?



「何?」



「なんなの?」



「何が?」



あたしの言葉に女の顔が険しくなる。



「豊の女なの?」



「違うけど」



女の言葉に学校みたく、豊ファンかと安易に考えていた。
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