HEAVEN ROAD


「豊(ユタカ)……で、なんだ?!」



自己紹介までもが偉そうだし。



「豊、鞄邪魔」



あたし達の言い合いに、クスクス笑っている翔が視界に入る。



「お、おまっ……俺はお前の先輩だぞ!!さんくらい付けやがれ!!」



「やだよ」



「てめぇ!!……」



またもや怒鳴りだした短気な豊が言い終わる前にあたしは言葉を被せた。




「翔はそのままでいいのに、何でお前にだけ“さん”つけるんだよ」



あたしの言葉に眉間に皺を寄せた豊は「勝手にしろ」と窓の外に視線を向けた。



言われなくても勝手にするよ!!





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